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2023.08.03 レース結果

2023 D.I.D全日本モトクロス選手権 第5戦 レースレポート

2023 D.I.D全日本モトクロス選手権 第5戦 レースレポート

全日本モトクロス選手権 レポート

2023 D.I.D全日本モトクロス選手権シリーズ 5戦 北海道大会

2023年730日(日)

北海道/新千歳モーターランド

天候:曇り時々雨

気温:28

コースコンディション:ドライ

観客:595

2023年の全日本モトクロス選手権シリーズは、シーズンの中間地点となる第5戦を迎え、10年ぶりの開催となる北海道大会が千歳市の新千歳モーターランドで実施された。

コースは、北海道の空の玄関口として知られる新千歳空港の至近距離に位置。起伏があまりなく広大な敷地に、北の大地を感じさせる広いコース幅でレイアウトされた、豪快なハイスピードコースだ。路面は、火山灰によるサンド質が特徴。基本的にはサラサラとしていて、走行によるウネリも発生しやすい。

今大会は全道モトクロス選手権と併催され、全日本としてはIA1クラスとIA2クラスのみ開催。また、日曜日に予選と決勝をすべて実施するワンデースケジュールとなった。予選はタイムアタック方式(IA2のみラストチャンス予選レースあり)で、決勝は両クラスともヒート125分+1周、ヒート215分+1周で競われた。

曇りベースで、午前中は時々雨が降る天候。最高気温は28℃ながら湿度が高く、気温以上に暑さを感じさせられるコンディションとなった。

Westwood MXは今季、全日本最高峰クラスのIA1に「YAMAHA FACTORY RACING TEAM」から参戦する富田俊樹選手(#1)と渡辺祐介選手(#3)、ホンダサポートチームの「Honda Dream Racing Bells」からエントリーする大城魁之輔選手(#4)と、プロモーションライダー契約を締結。また、昨年度のIA2クラス王者で今季は「YAMAHA FACTORY INNOVATION TEAM」から選手兼監督としてIA1にフル参戦するジェイ・ウィルソン選手(#27)に、100%ブランドのゴーグルをサポートする。ただし、開幕戦で転倒負傷した渡辺選手は、今大会も欠場している。

さらにIA2クラスでは、カワサキのマシンを駆り「ピュアテックレーシング」からチャンピオンを狙う西條悠人選手(#8)とプロモーションライダー契約を結び、レース活動をサポートする。

 

IA1クラス ヒート1

IA1クラス ヒート1

ジェイ・ウィルソン選手(#27)がホールショット。ところが2周目、トップ走行中に転倒して5番手まで順位を下げた。それでもウィルソン選手は、4周目には富田俊樹選手(#1)らをパスして2番手、そして翌周にはトップ再浮上。6周目、富田選手も2番手に順位を上げた。この段階で、ウィルソン選手と富田選手のギャップは約4秒。その後、レース終盤にかけてウィルソン選手は46秒程度のリードをキープした。そしてレースは15周でチェッカー。ウィルソン選手が勝利を収め、レース終盤に1台の追撃を受けながらも振り切った富田選手が2位となった。前戦で鎖骨を折るなどの負傷をしたがなんとか欠場を回避できた大城魁之輔選手(#4)は、1周目11番手と出遅れたが、追い上げて5位となった。

IA1クラス ヒート2

IA1クラス ヒート2

ジェイ・ウィルソン選手(#27)が再びホールショット。富田俊樹選手(#1)はやや出遅れたが、混戦の中で順位を上げ、1周目をウィルソン選手がトップ、富田選手が5番手、大城魁之輔選手(#4)は8番手でクリアした。2周目以降、ウィルソン選手は後続に対して少しずつリードを拡大。4周目には、約4秒のアドバンテージを得た。一方、富田選手は5周目にペースを上げて4番手に浮上した。6周目以降、ウィルソン選手は2番手選手の接近を許したが、その差が約2.5秒になった8周目にペースアップ。再びリードを拡大した。また富田選手は、8周目に3番手まで順位を上げた。そしてレースは10周で終了。ウィルソン選手が開幕から無傷の13連勝を達成し、富田選手は3位となった。ケガの影響が残る大城選手は9位に終わった。

IA2クラス ヒート1

IA2クラス ヒート1

25分+1周で競われたヒート1。西條悠人選手(#8)はまずまずのスタートを決め、67番手あたりでふたつめのコーナーに進入した。ところがここで、前のライダーに詰まるような感じでバランスを崩して転倒。後続のライダーに突っ込まれてしまった。この際に2台のマシンが重なって横たわるという不運も重なり、西條選手はほぼ最後尾となる27番手でレースに復帰した。その後は、転倒の影響もありペースが上がらず、15周でチェッカーとなったレースを西條選手は21位でゴール。ポイント獲得はできなかった。

IA2クラス ヒート2

IA2クラス ヒート2

西條悠人選手(#8)は1周目を6番手でクリア。23周目に順位を落とし、一時は9番手を走行していたが、大混戦だった集団がばらけた5周目以降にペースを上げ、5周目には7番手、6周目には6番手、8周目には5番手までポジションアップした。なおも勢いに乗る西條選手は、早くもラスト2周となった9周目に4番手の選手に肉迫。ところがここで、相手のライダーに押し出されてコースアウト。バンクの外側斜面で転倒した西條選手は、マシンを起こして復帰するのに時間を要し、再びポイント獲得圏外となる16位に終わった。

 

ジェイ・ウィルソン選手(#27)ヒート1=優勝/ヒート2=優勝

「今大会、自分のライディングに対するフィーリングはあまり良好な状態ではありませんでした。決勝レースでは、ヒート1の序盤で転倒してしまい、これにより追い上げのレースとなったことで体力を消耗しました。その結果、ヒート2にはさらにパワーダウンした状態で臨むことになりました。ホールショットで最初からトップを走行できましたが、路面がかなり荒れてリスキーな状況だったので、再び転倒することがないようセーブして走りました。結果的には2レースともに優勝でき、自分の仕事をきっちりやり遂げることができたので、その点に関しては良かったと思います。富田俊樹選手をはじめ、日本人選手の多くが調子を上げてきているので、こちらもサマーブレイクの間にレベルアップしたいです」

富田 俊樹 選手(#1)ヒート1=2位/ヒート2=3位

「ヒート1は、25分というレース時間の中で、荒れた路面への対応に関してはうまくできたと思います。ジェイ・ウィルソン選手が転倒したので、チャンスはあると思いましたが、甘くはありませんでした。ウィルソン選手に自分とのギャップをコントロールされていた感じで、完全に実力不足ですが、とはいえ今の自分にできることは精一杯発揮できたと思っています。ヒート2は、スタートで出遅れ、序盤は前が離れ気味でしたが、路面が荒れていて何が起こるかわからない状況だったので、コース攻略に徹して走りました。表彰台圏内は確保できたので、その点は悪くなかったと思います。今年の夏も、かなりの猛暑が続いています。自分が使用しているTHORのモトクロスジャージ&パンツには、抜群の通気性を誇るミッドレンジのフルメッシュ仕様もあるので、ぜひ注目してみてください。ただし自分自身は、通気性よりもトップシリーズが持つ伸縮性を重視。通気性も高いレベルにあるので、夏もこちらを愛用しています」

大城魁之輔選手(#4)ヒート1=5位/ヒート2=9位

「前戦で転倒してしまい、プレートが入っていた鎖骨を再び負傷し、プレートを入れ直す手術を受けました。3週間くらい安静にして、大会前週からようやくバイクに乗れるようになったという状況。とはいえもう少し頑張りたかったのですが、いざ出場してみたら想像以上にキツく、思うような成績を残すことはできませんでした。ケガを言い訳にするのは嫌いなのですが、ケガした部位をかばうようなカラダの動きをすることで別の部位に負担がかかり、ムダな力が入ってうまくマシンをコントロールできず……。ケガは絶対に避けなければいけないと、あらためて痛感させられました。今季は、課題をひとつずつクリアすることを意識してきましたが、これでまた一気に課題が増えたと感じています」

西條 悠人 選手(#8)ヒート1=21位/ヒート2=16位

「ヒート1は、スタート直後は上位にいたのに転倒。この際、後続のライダーに突っ込まれて転倒した自分のマシンに相手のマシンが絡み、復帰にも時間がかかりました。その後はペースが上がらず、ポイント獲得圏外でゴールしました。気持ちを切り替えて臨んだヒート2は、レース序盤こそ混戦の中で順位を下げましたが、けっこう乗れている感じがあり、しっかり追い上げができました。4番手の選手に詰め寄り、パッシングするためにアウトから仕掛けたのですが、そこで相手もアウトに寄ってきて、ハンドルがぶつかり自分だけコースアウトして転倒。残り2周での出来事で、結果的には再びノーポイントに終わりました。次戦はしっかり戦えるよう、夏休みの間にしっかり努力したいと思います」