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2023.11.02 レース結果

2023 D.I.D全日本モトクロス選手権 第8戦 レースレポート

2023 D.I.D全日本モトクロス選手権 第8戦 レースレポート

全日本モトクロス選手権 レポート

 

2023 D.I.D全日本モトクロス選手権シリーズ

8戦 埼玉トヨペットCUP(関東大会)

2023年1028日(土)~29日(日)

埼玉県/ウエストポイント オフロードヴィレッジ

天候:曇りのち晴れ

気温:21

コースコンディション:ドライ

観客:4.379

 

IAクラスは全9戦が設定されている2023年の全日本モトクロス選手権シリーズは、シーズン終盤の戦い。ラスト2戦となった第8戦埼玉トヨペットCUP大会が、今季第2戦の舞台ともなった埼玉県のウエストポイント オフロードヴィレッジで開催された。今大会は、IBオープンクラスやレディースクラスを含む全クラスを実施。IA1およびIA2は、15分+1周の3ヒートで実施された。

荒川と入間川に挟まれた河川敷に設けられたコースは、スーパークロス風のレイアウトを特徴としてきたが、昨秋の改修時にややハイスピードな区間が追加された。土曜日の朝に一時的な豪雨があり、日曜日も朝および午前中に多少の雨が降ったが、これを除けば天候に恵まれ、決勝日朝の路面は水分をやや多めに含んだ状態だったが、すぐにベストコンディションとなった。

Westwood MXは今季、全日本最高峰クラスのIA1に「YAMAHA FACTORY RACING TEAM」から参戦する富田俊樹選手(#1)と渡辺祐介選手(#3)、ホンダサポートチームの「Honda Dream Racing Bells」からエントリーする大城魁之輔選手(#4)、IA2クラスにカワサキのマシンを駆り「ピュアテックレーシング」から参戦する西條悠人選手(#8)とプロモーションライダー契約を締結。また、昨年度のIA2クラス王者で今季は「YAMAHA FACTORY INNOVATION TEAM」から選手兼監督としてIA1にフル参戦するジェイ・ウィルソン選手(#27)に、100%ブランドのゴーグルをサポートしている。

IA1クラス ヒート1

【IA1 ヒート1】

ジェイ・ウィルソン選手(#27)がホールショット。スタート直後に転倒した大倉由揮選手のマシンに大城魁之輔選手(#4)と富田俊樹選手(#1)が突っ込んで転倒し、両者とも大幅に出遅れた。レースは、ウィルソン選手とホンダの電動プロト車を駆るトレイ・カナード選手のトップ争い。ウィルソン選手は、カナード選手を極端に近づけることなく、3秒程度のギャップをほぼキープした。ラスト2周となった10周目からカナード選手がペースを落とし、最後はウィルソン選手が独走して勝利を収めた。渡辺祐介選手(#3)はスタートでやや出遅れたが、大城選手と富田選手の転倒に加えて積極的に追い上げたことで、1周目を5番手でクリア。1台の先行を許したが、6位でゴールした。大城選手は10位、富田選手は13位に終わった。

IA1クラス ヒート2

IA1クラス ヒート2

ジェイ・ウィルソン選手(#27)は1周目に2番手に浮上すると、先行するトレイ・カナード選手に迫り、2周目最初のコーナーでインを突いた。しかしここでカナード選手と接触。これで転倒したカナード選手のマシンがウィルソン選手の後輪周辺と絡み、ウィルソン選手もストップした。1周目は富田俊樹選手(#1)が7番手、渡辺祐介選手(#3)が8番手、大城魁之輔選手(#4)が13番手、ウィルソン選手が15番手。2周目以降、ウィルソン選手は激しい追い上げをみせた。一方、チームメイト対決は2周目に富田選手が渡辺選手をパス。富田選手は5周目に4番手まで浮上したが、体調不良で7周目からペースを落とすと、9周でリタイアした。ウィルソン選手は8周目に3番手まで浮上し、最後まで追い上げを続けたが、レースは11周でチェッカーとなり3位。今季初黒星を喫した。渡辺選手は今季ベストリザルトの5位。大城選手は7位となった。

IA-1 ヒート3

IA1クラス ヒート3】

ジェイ・ウィルソン選手(#27)は、再びトレイ・カナード選手に次ぐ2番手からのレース。このヒートでは慎重に相手の動きを読み、無理することなくパッシングのチャンスを探った。するとカナード選手が2周目に単独転倒。これでトップに立ったウィルソン選手は、レース前半には3秒程度のリードをキープすると、後半になってややギャップを拡大した。そして、10周目の最終ラップまでしっかり逃げ切ったウィルソン選手が勝利を収めた。

大城魁之輔選手(#4)は、8番手あたりからレースをスタートし、3周目には5番手まで順位を上げると、その後は小方誠選手を猛追。しかしパッシングのチャンスを得られず、5位となった。渡辺祐介選手(#3)は、4番手走行中だった3周目に転倒。レースには復帰できたが、最終ラップにもミスがあり14位に終わった。富田俊樹選手(#1)はこのレースへの出場をキャンセルしている。

IA2クラス ヒート1

IA2クラス ヒート1

予選レースで転倒して、予選25番手から決勝に臨むことになってしまった西條悠人選手(#8)は、スタートで完全に出遅れ、2324番手あたりからのレース。それでも1周目から積極的に追い上げ、7周目には13番手まで浮上した。しかし追い上げはここでストップ。11周でチェッカーとなったレースを、西條選手は13位でゴールした。

 

IA-2 ヒート2

IA2クラス ヒート2

このレースでも、スタート位置が悪い西條悠人選手(#8)は出遅れてしまい、1周目を13番手でクリア。4周目までに10番手浮上を果たすと、その後も追い上げを続けて7周目には9番手となった。さらに、最終ラップとなった10周目に1台をパス。これにより西條選手は、8位でチェッカーを受けた。

IA-2 ヒート2

IA2クラス ヒート3

西條悠人選手(#8)はこのヒートでもスタートで出遅れ、オープニングラップは20番手あたりでクリア。それでも、路面が荒れたコースでヒート1よりも順調な追い上げを披露し、8周目の段階でトップ10圏内まで入ってきた。そして最終ラップとなった11周目に1台をパス。これにより西條選手は9位となった。

ジェイ・ウィルソン選手(#27)ヒート1=優勝/ヒート2=3位/ヒート3=優勝

「この大会には、ホンダとトレイ・カナード選手が電動バイクで参戦しました。メーカーは違うけど自分もワクワクしたし、ファンの方々も新しい刺激を得られたと思います。私自身も、新しいことを学ぶ機会になったのですが、とくにいつもと違うと感じたのは、後ろにいる場合にその距離感や相手の状況を把握するのが難しいところ。そのため、サインボードで正確なギャップを伝えてもらいながら走りました。カナード選手は、経験値にも優れた強敵なので、こちらとしては常に緊張している状況。そんな中、ヒート2ではスタートで先行されたことで自分も焦りすぎてしまい、ミスにつながりました。連勝ストップはとても残念でしたが、ヒート3では再び勝つことができ、うれしく思っています」

大城魁之輔選手(#4)ヒート1=10位/ヒート2=7位/ヒート3=5位

「前戦の決勝レース中に足を負傷し、今大会のレースウィークに入ってようやくライディングを再開できる状況ではあったのですが、それにしても予選と決勝ともに走りが悪すぎました。ケガが理由にならないほど酷い走りになってしまい、自分自身でも戸惑っています。いつも同じ内容のコメントをしていることが悔しいのですが、まずはとにかく反省し、課題を持ち帰り、気持ちを切り替えて最終戦に臨むという以外に、やれることはありません。最終戦は2週間後なので、対策やケガの回復に使える時間はかなり限られていますが、できることを最大限にやり、笑ってシーズンを終われるよう努力します」

富田俊樹選手(#1)ヒート1=13位/ヒート2=22位/ヒート3=DNS

「ヒート1は、転倒した大倉由揮選手のバイクに突っ込んでしまい、転倒しました。再スタートして、なんとかそのまま走り切ったのですが、ヒート2はカラダのコンディションがあまりよくなく、最終的には自分の判断でリタイアすることを決めました。次回が今シーズンの最終戦になりますが、気持ちよく終えられるように準備していきます」

渡辺祐介選手(#3)ヒート1=6位/ヒート2=5位/ヒート3=14位

「ヒート1は、1周目にマルチクラッシュがあった影響などで若干遅れましたが、そのあとは1台ずつ確実にパスして順位を上げることができ、レース前に最初の目標として掲げていた6位以内という目標をクリアしました。ヒート2のスタートもやや出遅れましたが、そこからライバルと駆け引きしながら順位を上げることができ、今季ベストリザルトとなる5位になることができました。ヒート3は、スタートが決まったこともあり、序盤から5番手を走行。すぐ4番手に浮上し、3番手のライダーも見える状況で、表彰台圏内を意識してペースを上げたところで転倒してしまいました。結果は残念でしたが、とはいえ前戦よりはライバルたちとしっかりレースができたので、ポジティブに捉えています」

西條悠人選手(#8)ヒート1=13位/ヒート2=8位/ヒート3=9位

「予選でスタート直後に転倒してしまい、復帰するのに時間がかかりました。予選落ちすら心配する状況でしたが、なんとかこれは避けられて決勝へ。でも、このコースはスターティンググリッドの位置がかなり重要で、決勝はいずれのレースもスタートそのものは悪くなかったのですが、イン側のライダーたちにラインを潰されてしまい、追い上げの展開になってしまいました。タイムとしてはそれほど悪くなかったのですが、今回はレース時間も15分+1周と短く、最高でも8位まで追い上げにとどまりました。予選での転倒が悔やまれます。次戦は早くも最終戦。地元のスポーツランドSUGOで、誰よりも乗り込んでいると思っているので、気持ちを切り替え、自信を持って臨みます」