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2025.05.01 レース結果

2025 D.I.D全日本モトクロス選手権 第2戦 レースレポート

2025 D.I.D全日本モトクロス選手権 第2戦 レースレポート

全日本モトクロス選手権 レポート

 

2025 D.I.D全日本モトクロス選手権シリーズ

2戦 SUGO大会

2025年426日(土)・27日(日)

宮城県/スポーツランドSUGO

天候:晴れ

気温:25

コースコンディション:ドライ

観客:2,700

 

2025年の全日本モトクロス選手権は年間7戦のシリーズ。開幕戦から2週間後となるゴールデンウィーク初日に第2戦が開催された。

舞台となったのは、オンロードのサーキットやカートコースなども有する宮城県のスポーツランドSUGO。そのインターナショナルモトクロスコースは丘陵地に設けられており、自然の地形を生かした豊富なアップダウンと、高速区間からテクニカルセクションまでバリエーション豊かなレイアウトを特徴とする。今大会に向けて細部仕様変更はあったが、大まかなレイアウトは昨年から継承されている。

各クラスの予選が実施された土曜日、決勝が繰り広げられた日曜日とも天候に恵まれ、路面はドライコンディション。硬く締まってハードパック化したセクションが多く、一部区間はギャップやレールが深く、攻略が難しい路面状況だった。

Westwood MXは今季、全日本最高峰のIA1クラスに参戦する「Honda Dream Racing LG」の横山遥希選手(#2)、「Team Kawasaki R&D」の能塚智寛選手(#5)、「YAMAHA BLU CRU RACING TEAM」の渡辺祐介選手(#15)、「Kawasaki PURETECH Racing」の西條悠人選手(#37)、「BLU CRU フライングドルフィン サイセイ」の浅井亮太選手(#38)と、ウエアやブーツやゴーグルなどのライディングギアに関するプロモーションライダー契約を結び、そのレース活動をサポートしている。

IA1クラス ヒート1

IA1クラス ヒート1

IA1クラスの決勝は、30分+1周の2ヒート制で実施された。横山遥希選手(#2)がほぼホールショットでスタートし、1周目を2番手でクリア。これに渡辺祐介選手(#15)が続いた。転倒により予選最下位に終わった能塚智寛選手(#5)は、望むグリッドが選べない状況だったが、それでも1周目9番手。IA1ルーキーの西條悠人選手(#37)と浅井亮太選手(#38)は出遅れ、11番手以下からのレースとなった。2周目、横山選手は早くもトップに立った。

レース序盤、横山選手はじわじわとリードを拡大。昨年度王者のジェイ・ウィルソン選手が2番手に浮上した7周目の段階で、約4.3秒のアドバンテージを築いた。この周、それまで4番手を守っていた渡辺選手が6番手に後退。その34秒後方には能塚選手がつけると、10周目にかけて距離を詰めて接近戦となった。一方、トップの横山選手もウィルソン選手の追撃を許し、11周目には両者の間隔が2秒以内まで近づいてきた。

12周目、能塚選手は渡辺選手を抜いて6番手浮上。しかしこの段階で、5番手は9秒ほど先行していた。翌周からトップ争いも接近戦。ラスト3周となった14周目に両者のバトルは激しくなり、コーナーで2台が並んだところで接触し、横山選手が転倒を喫した。そして、すぐに再スタートした横山選手は2位でゴール。能塚選手は6位でチェッカーを受けた。最終ラップに転倒した渡辺選手は8位。西條選手は9位まで追い上げ、浅井選手は1周目と同じ11位でフィニッシュした。

IA1クラス ヒート2

IA1クラス ヒート2

決勝ヒート2でも横山遥希選手(#2)は好スタートを決めると、1台を抜いてオープニングラップをトップでクリア。西條悠人選手(#37)も1周目3番手の好位置を確保した。能塚智寛選手(#5)は9番手からのレースで、これを渡辺祐介選手(#15)が追撃。浅井亮太選手(#38)は13番手からの追い上げを狙った。2周目、西條選手はジェイ・ウィルソン選手に抜かれて4番手。能塚選手と渡辺選手は5台による僅差の7番手争いに加わり、浅井選手は12番手に順位を上げた。

3周目、西條選手はさらに1台の先行を許して5番手。その3秒ほど後方には、能塚選手が一気に順位を上げると、翌周からその距離を詰めていった。横山選手は、ウィルソン選手に抜かれて4周目に2番手後退。その後、じわじわと引き離された。6周目、西條選手を抜いて能塚選手が5番手。西條選手の後方には渡辺選手が上がってきた。レース中盤、横山選手はウィルソン選手から最大6秒ほど遅れたが、終盤にかけ少しだけ距離を詰めていった。

一方、能塚選手も一時は3秒ほど西條選手を離したが、9周目から再び西條選手が距離を詰め、翌周にはまた接近戦となった。渡辺選手はこの2台から遅れ、単独走行の7番手キープとなった。レース終盤、能塚選手はややペースアップ。これで西條選手を離した。そして16周でチェッカーとなったレースを、横山選手が2位、能塚選手が5位、西條選手が6位でフィニッシュ。またしても最終ラップに転倒した渡辺選手は8位、レース後半は順位を守った浅井選手が10位となった。

横山遥希選手(#2)ヒート1=2位/ヒート2=2位

「ヒート1の終盤は、ジェイ・ウィルソン選手コーナーで並ばれてしまったときに、引くことなくそのまま強気にいったところ、ウィルソン選手に押されるようなカタチとなって転んでしまいました。プラントしては、最後までブロックして逃げ切るつもりだったので、痛い転倒になりました。ヒート2は、ハードパック路面に散水が施されたスリッピーなコンディションで、序盤をややていねいに走りすぎました。ウィルソン選手に抜かれてからも、なかなかペースを上げられず、逃げられてしまいました。何かが大きく足りていないとは感じていないし、すべてのピースがハマれば勝てるはず。勝利の味をしっているだけに2-2位なんて一番のルーザーで悔しすぎますが、だからこそ頑張る力も湧いてきます」

能塚智寛選手(#5)ヒート1=6位/ヒート2=5位

「予選は、自分のミスでスタート直後にクラッシュ。一度ピットインしたため、最下位に終わりました。このため、決勝ではあまりいいスターティンググリッドが残っていない状況。しかしグリッドと関係なく、最近はなかなかスタートが決まらず、一方で速いライダーたちはみんなしっかり1周目から好位置を確保している状況が続いています。しかも今回のコースはラップタイム差があまりなく、あとは体力勝負という感じ。ヒート1はこちらも腕上がりで苦しかったし、ヒート2は終盤になってトップ2と遜色ないラップタイムに上げられたものの、序盤のペースが悪かったことが致命的でした。次戦の舞台は、練習も含めてこの2年間で3度ケガしたオフロードヴィレッジ。スタートを決め、確実に走り切ります」

西條悠人選手(#37)ヒート1=9位/ヒート2=6位

「土曜日はけっこう力んでいて、練習走行と比べたら予選は少し改善できたものの、思うような走りではありませんでした。日曜日の公式練習でさらに悪い部分を修正し、ようやく全体的に噛み合った感じがあったのですが、決勝ヒート1は完全に出遅れ。走りは悪くなかったのですが、スタートの重要性を痛感させられました。ヒート2はスタートも決まり、このまま表彰台……と思ったのですが、IA1はそんなに甘くありませんでした。ただ、上位勢のライダーと近い距離で順位を争う走りができたことで、学びも多かったと思います。今季もLEATTのウエアやブーツで戦っています。今回、ブーツは比較的新しい状態でレースに臨みましたが、プロテクション性に優れるのに柔軟性もあるため、安心して使えました」

渡辺祐介選手(#15)ヒート1=8位/ヒート2=8位

「ケガにより、実質的には丸2年のブランクがある状況。ヒート1ではようやく上位勢でレースができ、そこは素直にうれしかったのですが、久しぶりすぎてカタくなってしまい、ハンパない腕上がりに見舞われてしまいました。ヒート2は、前に能塚智寛選手や西條悠人選手が見えている状況。なんとか彼らについていきたかったのですが、こちらのペースが悪くてついていけず、次戦以降への課題が残りました。ウエアは今季もFLY。今年で4年目なのですが、ストレッチが効いていて非常に軽く、それでいて丈夫なところが気に入っています。自分はかなり練習で乗るほうなので、ウエアへのダメージが大きいのですが、とくにFLYの新しいモデルは強く、これは一般ユーザーにも大きなメリットだと思います!」

浅井亮太選手(#38)ヒート1=11位/ヒート2=10位

「リザルト的には開幕戦と比べて大きな進歩になっていないものの、ライディングに関しては多少の前進があったと感じています。ヒート1は、1周目の順位にはつながらなかったとはいえ、スタート直後の1コーナーでわりと前のほうにいられました。昨年までのIA2と比べて、速いライダーが多いIA1でパッシングしながら追い上げるというのはまだ難しいため、開幕戦から今大会までのわずかな期間で、とにかくスタートの練習を重ねてきました。その成果は多少発揮できたと思うので、さらに精度を高めるとともに、今度はリザルトにもつなげたいです。少しずつ450ccマシンにも慣れ、トップ10入りはできたので、次戦ではシングルフィニッシュ、そして6位入賞と、さらにステップアップを目指します」