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2023.06.08 レース結果

2023 D.I.D全日本モトクロス選手権 第3戦 レースレポート

2023 D.I.D全日本モトクロス選手権 第3戦 レースレポート

全日本モトクロス選手権 レポート

2023 D.I.D全日本モトクロス選手権シリーズ

3戦 SUGO大会

2023年63日(土)、4日(日)

宮城県/スポーツランドSUGO

天候:晴れ一時曇り

気温:27

コースコンディション:ドライ

観客:2,700人(2日間)

 

2023年の全日本モトクロス選手権シリーズ第3SUGO大会が、宮城県のスポーツランドSUGOで開催された。

全日本ロードレース選手権も実施されている国際サーキットをはじめとする多彩なコースを有する複合モータースポーツ施設の一角にあるスポーツランドSUGOのインターナショナルモトクロスコースは、丘陵部の斜面にレイアウトされている。昨年9月に大改修を受け、以前と比べて平らな印象になったが、それでも全体的にはアップ&ダウンに富んでいる。

決勝日は朝から晴天で、最高気温は27度。ただし風は強く、昼ごろには雲が多い時間帯もあった。金曜日に降った雨の影響は土曜日の段階でもほとんどなく、予選終了後に路面を耕しながら入念なメンテナンスが施されたことで、日曜日はベストコンディションでスタートした。ただし午後は散水作業が追いつかず路面が乾き、ハードパック区間も増え、土ボコリが多めに舞う状況となっていった。前戦と同じく、決勝はIA1クラスが15分+1周の3ヒート制、IA2クラスが30分+1周の2ヒート制で実施された。

Westwood MXは今季、全日本最高峰クラスのIA1に「YAMAHA FACTORY RACING TEAM」から参戦する富田俊樹選手(#1)と渡辺祐介選手(#3)、ホンダサポートチームの「Honda Dream Racing Bells」からエントリーする大城魁之輔選手(#4)と、プロモーションライダー契約を締結。また、昨年度のIA2クラス王者で今季は「YAMAHA FACTORY INNOVATION TEAM」から選手兼監督としてIA1にフル参戦するジェイ・ウィルソン選手(#27)に、100%ブランドのゴーグルをサポートする。ただし、開幕戦決勝ヒート3で転倒負傷した渡辺選手は、前戦に続いて今大会を欠場した。

さらにIA2クラスでは、カワサキのマシンを駆り「ピュアテックレーシング」からチャンピオンを狙う西條悠人選手(#8)ともプロモーションライダー契約を結び、レース活動をサポートする。

IA1クラス ヒート1

ホールショットの富田俊樹選手(#1)を、ジェイ・ウィルソン選手(#27)が1周目終盤にパス。2周目、ウィルソン選手と富田選手は、3番手以下を3秒ほど引き離しながら接近戦を展開した。4番手を走っていた大城選手は、転倒により14番手後退。3周目以降、富田選手はウィルソン選手にやや離され、上位4台がそれぞれ23秒差になった。レース終盤、なおもウィルソン選手と約3秒差を保つ富田選手の背後に1台のライバルが接近。そして9周目の最終ラップに、2台がコーナーで並んだ。ここでライバルが転倒し、避け切れずに富田選手もクラッシュ。再スタートを切った富田選手は4位に終わった。レースはウィルソン選手が勝利。大城選手は6位まで追い上げたところでチェッカーを受けた。

IA1クラス ヒート2

大城魁之輔選手(#4)がホールショット。ジェイ・ウィルソン選手(#27)はやや出遅れたが、それでも1周目を3番手でクリアした。富田俊樹選手(#1)は出遅れ、1周目7番手からのレースとなった。2周目、ウィルソン選手は2番手に浮上。ここで大城選手が転倒し、ウィルソン選手は難なくトップの座を手に入れた。大城選手はすぐに復帰し、ウィルソン選手と約2秒差の2番手。その後、レース終盤にかけてこのギャップをほぼキープしながら、ウィルソン選手を大城選手が追った。5周目、1台の転倒で富田選手は4番手に浮上。しかし3番手とは約5秒の差があった。レースは、最後まで大城選手を近づけずに逃げ切ったウィルソン選手が勝利。大城選手は2位、富田選手は4位でフィニッシュした。

IA1クラス ヒート3

ヒートでも好スタートを決めた富田俊樹選手(#1)がホールショット。これに大城魁之輔選手(#4)が続いた。ジェイ・ウィルソン選手(#27)はヒート2よりもさらに出遅れたが、それでも1周目に3番手までポジションアップ。2周目の上位勢には大きな変動がなかったが、3周目になるとウィルソン選手が大城選手を抜いて2番手に浮上した。翌周、ウィルソン選手は富田選手をパスしてトップに浮上。その後、上位4台が1.52秒差で続く展開となった。ところが7周目から突如として大城選手のペースが落ち、翌周には4番手後退。富田選手は最後までウィルソン選手をマークしたが、ウィルソン選手が最後まで寄せつけずに開幕から9連勝を達成し、富田選手は2位、大城選手は4位となった。

IA2クラス ヒート1

西條悠人選手(#8)は、トップ通過した予選に続いてこの決勝ヒート1でもホールショット。ところが1周目の中盤で転倒を喫し、復帰しようとしたところで後続にぶつけられる不運も重なり、最後尾からのレースを強いられた。2周目の段階で22番手走行となった西條選手は、3周目にはミスにより23番手に後退するなど苦戦。それでも4周目以降にリズムを取り戻すと、徐々に順位を上げていった。そして14周目に、ポイント獲得圏内となる15番手に浮上。レースは16周でチェッカーとなり、西條選手は15位で1ポイントを得た。

IA2クラス ヒート2

予選レース、決勝ヒート1に続いて、このヒート2でも西條悠人選手(#8)はホールショットを獲得。23周目にかけて激しいトップ争いを演じた西條選手は、4周目に2番手となったが、その後も必死にトップを追い続けた。一方、西條選手は3番手に対して23秒のアドバンテージをキープ。レース終盤にかけ、僅かにその差を拡大した。そしてレースは16周で終了。西條選手は2位でチェッカーを受け、開幕戦以来となる今季2度目の表彰台登壇を果たした。第3戦終了時点で、西條選手はランキング5番手となっている。

ジェイ・ウィルソン選手(#27)ヒート1=優勝/ヒート2=優勝/ヒート3=優勝

「土曜日の予選でハードクラッシュしてしまい、肩を少し痛めてしまいました。でも幸運なことに、トレーナーがチームに帯同してくれていて、しっかりケアしてもらうことができたので、いい状態で決勝を迎えることができました。ところが、決勝ではあまりいいスタートができずに苦労。スタートの位置も変更してみたのですが、あまりいい方向にはなりませんでした。開幕から2戦はメタルメッシュスタートでしたが、今回はシーズン初のダートスタート。この変化に合わせきれなかったことが、ケガだけでなく今大会を難しくする要素になってしまいました。日本人ライダーたちも速さを発揮してきていますが、自分もベストな走りを続けて、今後も連勝記録を継続できるようチャレンジを続けます」

富田俊樹選手(#1)ヒート1=4位/ヒート2=4位/ヒート3=2位)

「ヒート1は、ジェイに勝ちたいという気持ちが強すぎて、自分の走りにちゃんと集中することができず、その結果として終盤に内田篤基選手の追撃を受け、お互いに引かない状況で接触転倒という結果になりました。ヒート2は、散水されている部分とハードパックの路面が混在するコンディションに苦しみました。ヒート3はスタートが決まり、最初の12周でリズムがつかめ、ミスがあってジェイには抜かれましたが、今後に向けていいフィーリングが得られました。日本に帰ってきてからSIDIのブーツを使い続けていますが、とても安心感があり気に入っています。リペアもできるので、僕が使ってもソールの張り替えなどをすれば2年くらい持ちます。ウエアはTHOR。意外とゲン担ぎも気にするほうで、酷いレースをしてしまったときに着ていたウエアは、もちろんウエアが悪いわけではないけど練習用に……なんてことも。あと、100%ゴーグルとヘルメットのコーディネートにも、いつも気を遣っています」

大城魁之輔選手(#4)ヒート1=6位/ヒート2=2位/ヒート3=4位

「開幕戦と似たような結果でしたが、開幕戦後に取り組んできたことについては、成果も表れていたと思います。具体的には、コーナリングのスピードやスタートの精度を磨いてきましたが、とくにヒート1はそれが活かされていたと思います。ただしヒート2とヒート3は、序盤にスイッチが入るまでの遅さなど、違う課題が浮き彫りになりました。速くなるためには課題と克服の繰り返しだと思うので、前向きな気持ちで取り組んでいきます。今年から100%ゴーグルを使わせていただいていますが、今回もそれほど特別な準備はせず、ラミネートのティアオフを2セットと、スタート用に通常のティアオフを1枚装着して臨みました。ただし、いつもはスモークレンズですが、今回は途中で暗くなる心配もあったので、レンズはクリアを選択しました」

西條悠人選手(#8)ヒート1=15位/ヒート2=2位

「前戦で酷いレースをしてしまい、今大会は開幕戦の感覚を取り戻すことを大きなテーマに臨みました。ところが、土曜日の公式練習から予想外に調子が良く、予選に続いて決勝ヒート1でもホールショット。これでちょっと結果を求めすぎてしまい、勝負に対する焦りから1周目に自滅転倒してしまいました。最後尾からのレースとなり、その後も追い上げができずに終わりましたが、レース終盤のペースは上位勢と比べてほぼ同じだったので、それほど思い込むことなくヒート2に臨みました。そしてヒート2も、またホールショット。午前中のレースで学んだので、冷静な気持ちを保ちながら走り、ビクトル・アロンソ選手には抜かれてしまったものの、最後までいい感じで走れたと思います」