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2023.06.28 レース結果

2023 D.I.D全日本モトクロス選手権 第4戦 レースレポート

2023 D.I.D全日本モトクロス選手権 第4戦 レースレポート

全日本モトクロス選手権 レポート

2023 D.I.D全日本モトクロス選手権シリーズ

4戦 中国大会TOHO Racing CUP

2023年624日(土)、25日(日)

広島県/世羅グリーンパーク弘楽園

天候:晴れ時々曇り

気温:28

コースコンディション:ドライ

観客:2,458人(2日間)

2023年の全日本モトクロス選手権シリーズ第4戦中国大会TOHO Racing CUPが、広島県の世羅グリーンパーク弘楽園で開催された。

コースは、広島県南東部の人気観光地としても知られる瀬戸内海沿いの尾道市街から、直線距離なら北西方向約30kmの山間部に位置する。山を切り開いてレイアウトされたコースは自然のアップダウンがとても豊富で、ダイナミックかつハイスピードなレイアウトを特徴とする。

梅雨時期の大会開催ながら天候に恵まれ、土曜日が曇り時々晴れ、日曜日は曇りまたは晴れ。日曜日の最高気温は28度で、ライダーにとっては暑さとの戦いとなった。

路面はハードパック。事前に入念なメンテナンスが施されたことから、普段と比べれば柔らかい良好な状態で大会を迎えたが、それでも日曜日午後のヒート2は、カタい路面の上に土が堆積したスリッピーな区間がかなり増えた印象だった。

全日本最高峰のIA1クラスは、4戦目にして今季初めてとなる30分+1周の2ヒート制で実施。IA2クラスも、同じく30分+1周の2ヒート制で実施された。

Westwood MXは今季、全日本最高峰クラスのIA1に「YAMAHA FACTORY RACING TEAM」から参戦する富田俊樹選手(#1)と渡辺祐介選手(#3)、ホンダサポートチームの「Honda Dream Racing Bells」からエントリーする大城魁之輔選手(#4)と、プロモーションライダー契約を締結。また、昨年度のIA2クラス王者で今季は「YAMAHA FACTORY INNOVATION TEAM」から選手兼監督としてIA1にフル参戦するジェイ・ウィルソン選手(#27)に、100%ブランドのゴーグルをサポートする。ただし、開幕戦決勝ヒート3で転倒負傷した渡辺選手は、前戦に続いてケガにより今大会を欠場した。

さらにIA2クラスでは、カワサキのマシンを駆り「ピュアテックレーシング」からチャンピオンを狙う西條悠人選手(#8)ともプロモーションライダー契約を結び、レース活動をサポートする。

IA1クラス ヒート1

ジェイ・ウィルソン選手(#27)が、オープニングラップでトップに浮上。大城魁之輔選手(#4)は4番手、富田俊樹選手(#1)は6番手からのレースとなった。23周目にかけ、大城選手は僅差の3番手争いを展開。一度は3番手に浮上したが、3周目に再び4番手となると、その背後に富田選手が接近して、2番手から富田選手まで4台による集団となった。4周目、大城選手が前のライダーから少し遅れ、富田選手が先行。その直後、大城選手は激しくクラッシュしてリタイアに終わった。順位を上げた富田選手はそのまま前を追い、7周目には3番手、12周目には2番手にポジションアップ。この段階でトップのウィルソン選手は約7秒先行しており、18周のレースでウィルソン選手が優勝、富田選手が2位となった。

IA1クラス ヒート2

ヒート1で転倒した大城魁之輔選手(#4)は、ケガによりこのヒートの出走をキャンセル。レースは、混戦の中で2番手に上がったジェイ・ウィルソン選手(#27)が、トップの選手と激しいバトルを繰り広げ、富田俊樹選手(#1)もこれに加わる、三つ巴のバトルで幕を開けた。しかし最終的には、ヒート1と同じくウィルソン選手が1周目にトップ浮上。2周目には2秒ほどのリードを奪った。4周目以降、トップのウィルソン選手は1周につき約1秒のペースでリードを拡大。2番手の選手から徐々に遅れた富田選手は、1台のマシンに猛追された。そして10周目から再び激しい接近戦。11周目に両者が接触して、相手選手のみ転倒した。その後、富田選手は順位キープの走りに切り替え、ウィルソン選手が独走優勝、富田選手が3位となった。

IA2クラス ヒート1

予選ではホールショットから組別4位でのフィニッシュとなり、苦手とするコースの攻略に糸口が見えた西條悠人選手(#8)。ところが決勝ヒート1では、スタート直後に6番手のポジションを確保したが、前を走るライダーの転倒に巻き込まれるカタチで激しくクラッシュ。これにより、上位から完全に離された最後尾の30番手でレースに復帰することになった。転倒時に負傷した西條選手は、本来のスピードをすぐに取り戻すことができず、レース中盤にややペースアップしたものの、ポイント獲得圏外となる22位でのゴールとなった。

IA2クラス ヒート2

これまで好スタートを決めることが多かった西條悠人選手(#8)だったが、このレースでは大きく出遅れ、25番手あたりでオープニングラップをクリア。その後もペースは上がらず、この付近の順位にとどまった。それでも、10周目には24番手、11周目には22番手と復調の兆しをみせ、さらに14周目には一気に3順位アップの19番手。15周目に17番手まで浮上した。しかしポイント圏内となる15番手のライダーとは30秒近いギャップ。レースは18周でチェッカーとなり、西條選手は2戦連続ノーポイントの17位でレースを終えた。

ジェイ・ウィルソン選手(#27)ヒート1=優勝/ヒート2=優勝

「ライダーによるタイム差が少ないハイスピードコースなので、スタート直後のポジションが重要だと考えていましたが、結果的にはヒート1でやや出遅れ、修正したヒート2も十分ではありませんでした。しかし両ヒートとも1周目のパッシングがうまくいき、順位を上げることができました。トップに立ってからは、3周程度のスプリントで2番手以下に対するリードを拡大して、その後はメカニックのサインボードでギャップを確認しながらペースをコントロールしました。11連勝はとてもうれしいこと。今後も連勝を伸ばすため、各ヒートに集中します。次戦は北海道大会ですが、新しいトラックなのでワクワクしています。おいしいフードもたくさんあると聞いているので、楽しみにしています」

富田 俊樹 選手(#1)ヒート1=2位/ヒート2=3位

「ヒート1はスタートで出遅れてしまったのですが、30分という時間を使ってレースを組み立て、後半にもペースアップして2位。スタートの悪さを考えれば、最低限の仕事はできたと思います。ヒート2ではスタートが改善した結果、オープニングラップで内田篤基選手やジェイ・ウィルソン選手とトップ争いを繰り広げることができました。しかしこのバトルによりレースのリズムが作れず、硬い路面に対して思い切って攻めることができないなど、コースの攻略に手間取りました。途中からは、後ろから迫る大倉由揮選手とのバトルに集中することになり、内田選手に離されました。大倉選手の転倒後は、前との距離も考慮して、確実に3位を獲得する走りに切り替えました。北海道大会に向けて合宿してスピードをつけて臨みます」

西條 悠人 選手(#8)ヒート1=22位/ヒート2=17位

「ヒート1は、目の前でビクトル・アロンソ選手が転倒し、巻き込まれて自分も転倒。このとき、後続のライダーに追突され、肩が抜けたような感じになってしまいました。たぶん亜脱臼だと思いますが、すぐにはまったので再スタートしましたが、その後はただゴールを目指すだけの走りになってしまいました。そしてヒート2も、やはり肩を負傷した影響なのか、スタートからすべてがかみ合わずに終わりました。苦手なコースですが、想像以上にうまく乗れず、その苦手意識が不運も呼んでしまいました。この悔しさを、次の北海道大会にぶつけられるよう準備します。

今季も、ウエアとブーツはLEATTを着用。ヒート1は水色系、ヒート2は赤系でブーツまで揃えてコーディネートすることが多いです。目立つカラーで、観客の方々になるべく覚えてもらいたいと思っています。ブーツは機能性に優れ、足首をしっかり守ってくれます。ジャージやパンツは伸縮性も高く、ライダーの動きを妨げません。じつは、自分が今季、公式練習や予選で着ることがある黒のジャージ&パンツは、最高峰からワングレードダウンのシリーズなのですが、それでも動きやすく、実戦で使うことができます。あとブーツは、他社にはない色使いなど、デザイン面も魅力だと思います」

西條悠人選手(#8)ヒート1=15位/ヒート2=2位